すっかり涼しくなり、母が好きだった金木犀が香る季節になった。
冥福をお祈りします
不幸の際に伝える枕詞というか、お悔やみの決まり文句、時候の挨拶のようなものだと思っていた。
「ご冥福をお祈りします」の意味とは
「ご冥福」は「死後の幸福な世界」を表す
「冥」は死後の世界である「冥土」、「福」は「幸せ」を表す言葉です。「冥福」とは「死後の世界の幸せ」を意味します。そのため、「ご冥福をお祈りします」は故人の死後の世界での幸せを祈っているという気持ちを伝える言葉です。
母を喪ってから、ずっと母の冥福を祈っている。
母は機械が苦手で、ATMを理解するにも時間がかかったし、家電も最低限の操作しかしないので、便利機能なんて必要無い。
家電や家具は父、スマホなんかの入力なんかは3人いる娘の誰かに聞いていた。
必然的に、母が亡くなるまで同居していた次妹か末妹のどちらかに聞くことが多かっただろうけれど、市役所からの案内や年金等の公的書類・自動車の任意保険なんかは私が聞かれたり代書することが多かった。
死後の世界があるなら、
母の機械操作や書類関連を、説明してくれる人はいるだろうか。
代行してくれる人はいるだろうか。
ちょっぴり見栄っ張りだった母が、死後の世界に足りないものは無いだろうか。
今年の9月のお彼岸は、父と子を誘って母のお墓参りに行こうと思ったら、サービス業で休日の合わない末妹とも一緒に行くことができた。
ずっと、お彼岸の準備もお参りも母任せで、母は急死だったので遺族は右も左も分からなかった。
母が亡くなって3年半。
花と線香を買って、チャッカマンと花用のハサミと新聞紙とビニール袋を持って行った。
末妹が、お供えする果物をたくさん買ってきた。
みんなだいぶ勝手が分かってきた。
小学生の子どもも、お墓参りは慣れたものだ。
率先して、水汲みをして運んで墓石に水をかけてくれる。
こんなに早く、母の墓参りに行く日が来るなんて想像もしなかった。
いつも母の冥福を祈っている
けれど、本心はいつも母をこの世に返してほしいとずっと思っている
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